あしあと

すきを見て更新再開したいなとは思う

はるかかなたの年代記3

恋は突然落ちるもの。

カティア、アレット、グロリア。
ユウを取り巻く少女たちの想いは強さを増していく。
だが、少年はもう一人の菫色の瞳の少女と出会う。
彼方の星で、物語は加速する。

生徒会長・アレットが所有する別荘にバカンスに訪れたユウたち。
休暇を楽しむ一方で、ユウとアレットは<換象>の<共鳴>の習得を試みる。
<換象>の効果を増幅するこの現象は、快感を誘発させる副作用があり、
二人はそれに恥ずかしがりながらも訓練を続けていた。
一方この地では、恐るべき計画が進行していた。
そこには「天使の抱擁」と呼ばれる薬物を用いて、
街を混乱の渦へと巻き込む「饗宴」を行おうとする
カティアの父親、<鉄の王>の姿が…。
そんなある夜、ユウは菫色の瞳をした一人の少女と出会う。
誰かに面差しの似たその少女に、ユウは目を奪われるのだが…?


「ねぇ〈チョールト〉、このマリーって人をもっと知りたいって思うのは、変なのかな。なんだか……なんだか、この人と離れたくないんだ。」


-○注目点
 前巻までは、ユウへのもどかしい気持ちはカティアなどからあれど、ユウから誰かへのその気持ちはありませんでした。つまり、これはユウの恋ということなのでしょう。しかし、その相手は〈鉄の王〉サイド―――敵サイドの人でした。んー正直、この展開はどうもマリーの死亡フラグにしか見えない。王道的展開で言えば、おそらくそうなるんだろうなぁ……。勿論、その展開もありです。むしろ面白くなる予感がひしひしします。期待を裏切ってくれる展開だとなおいいですね。さて、どうなることやら!

-○全体
 さて、今回は、カティアを絡めた物語の大筋を進めつつ、ユウの第一の固有〈天道律〉の習得/ユウとアレットの〈共鳴〉の完成/クリスの第三の固有〈換象〉の登場 とまだ幾つかありますが、これらの味方側の戦力増強、そして、敵側の思惑と戦力や各国の動向。最後に上でも触れてますが、敵側のヒロインキャラの登場と彼女へのユウから一目惚れの予感。この辺りが大きく動いた点でしょうか。大枠では徐々に色々見えてきたところですね。
 これら個人的な感想は、味方の成長はやはり見てて楽しく、わくわくするものがありますね。個人的にアレットが大好きなので〈共鳴〉の完成は嬉しい限りです。しかし、物語終盤のアレットの「ユウに対して、なりたい自分とは?」の答えはとても彼女らしく大きなものでした。ただこれは読者視点で見れば、メインヒロインの立場ではなく、保護者やサポーターとしてのもの。つまるところ、彼女の恋は成就したいのだと思う。少々泣きたい気分ではありますが、初めからわかっていたことでもあります……ぐすんぐすん。まぁ、おそらくメインはカティアでしょうし。え?先生?言わずもがなですね。
 上記のことだけでも十分面白いものでしたが、ただ、少し物足りないのが、主人公のユウ単体の活躍がまだ無いということでしょう。カティアとの〈共鳴〉は大きな活躍ですし、チョールトの活躍もありますが、それは周りに支えられてものですから、ユウ単体での活躍ではありません。故に少しの物足りなさを感じます。まだ3巻目なのでこれからなのだから、その辺りがどうなるのかすごく楽しみです。俺つぇー状態のユウが見たいです!
 
 この3巻は敵側の実験に巻き込まれた主人公たちの奮闘と水面下での各国の争いという印象でしょうか。そして、物語最後にクリスに関する伏線が現れましたし、4巻ではクリスに関することなのかなと思ったり。

私のいろんな補正が掛かっているでしょうが、掛け値なしに面白かったです!