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ナイツ&マジック3 感想

 

ナイツ&マジック 3 (ヒーロー文庫)

ナイツ&マジック 3 (ヒーロー文庫)

 

 ◯あらすじ

大人気ロボットファンタジーの第3弾。今回も新型機が続々登場! エルの暴走が止まることを知らない! 

 

異世界の記憶を持つ少年エルネスティは、ロボット好きという趣味が高じるあまり、新型幻晶騎士テレスターレを生み出した。

彼の身を案じた国王アンブロシウスは、彼の護衛として、またその力を生かすために銀鳳騎士団の結成を命じた。

騎士団を率い、エルネスティは今日も元気に暴走する。

作り上げる新型機は、もはや人型ですらない半人半馬の異形の騎士。さらには新型推進器まで開発し、挙句空まで吹っ飛ぶ始末。

どこまでも止まらない彼の爆走は、やがてフレメヴィーラ王国全土へと大きな変化を与えてゆく。

そんな折、アンブロシウスは彼と交わした、とある約束を果たす決意を下していた。

自身が求める最大の秘密を前にして、エルネスティは期待に胸を高鳴らせる。

しかし同時に、彼は衝撃の事実を告げられた。「秘密を守る隠れ里に、大きな危機が迫っている」と――。

 

◯引用

「これくらいやれば、国機研(ラボ)の方々の度肝を抜くこともできると思いますし」

「度肝どころか、頭に血が上りすぎるか心臓破裂して死ぬんじゃねぇか? 百……千、いや万歩譲って『馬』はいいとしようや。逆にだ、なぜ『上半身』をつけた!?」

(中略)

「なぜつけたのか。それは……かっこいいからです!」

「まさか、本気でそいつが理由なのかよ!?」 

 

◯感想

 「エルネスティ、枷が外れて暴走するの巻」というのが今巻を表す一番の言葉だと思います。短く言えば「やりたい放題」。あんなことがあったというのに、休むまもなく半月程度で「新しい奴作ろうぜ!設計図は既に出来てる!前作の反省点から~」と言い出す主人公は作家になれば速筆なんじゃないですかね(ゲス顔

 それはともかく、冒頭の夢で作れなかったプラモデルのシーンがありましたが、結局この主人公を突き動かす最大の情熱はそれに対する「無念」や「後悔」が原点にあるような気がします。もっともっとその辺を掘り下げればまた別の味わいの作品になったかもしれません。それは置いて、エルの言葉の端々には自分が「ロボットに乗りたい」という憧れもさることながら、自分で「ロボットを作りたい」という気持ちの方が強く出ているように見えます……単に幻晶騎士の制作に対する描写が多いからそう感じているだけの可能性も否めませんが。

 しかして、それのために生まれ変わった十数年間もの時間と労力を惜しまないエルネスティの姿は「趣味人」と称して足りない、「狂人」と言い換えても差し支えないほどに紙一重な思考なのがこの作品の肝、なんでしょうね。様々な障害があっても彼の発想で乗り越える。清々しいほどに予定調和なのですが、故に読んでいて安心できます。どんな危機的状況でもエルならどうにかするだろ、と。むしろ今度はどんな無茶するんです?という期待が来ます。そういうワクワク大好きです。

 

 で、一番最後のシーンに挿絵がないのは何故ですか?正直エムリスの口絵とかいらないから最後の機体の絵を見せてー!あ、今回も黒銀さんのメカデザインは素晴らしかったです。このまま続けばナイツ&マジックのACかスパロボみたいなゲームできるんじゃないですか?だから、あれのデザイン見せてくれー!!