あしあと

すきを見て更新再開したいなとは思う

のうりん

のうりん (GA文庫)

のうりん (GA文庫)

県立田茂農林高校――通称『のうりん』。
 そこは、農業に青春をかけた少年少女の集う、人類最後の楽え「牛が逃げたぞおおおぉぉぉぉ!!」
 うるさい! あらすじくらい静かに言わせてよ!!

 あー、おほん。ぼくの名前は畑耕作。ここ『のうりん』に通う、ちょっぴりアイドルオタクな高校生だ。
 そんなぼくの通う学校に転校してきたのは、憧れの超人気アイドル草壁ゆかたん……!?

 方言幼馴染、メガネ美少年、ラブリー小動物、巨乳少女! 妄想系女教師! パンツ! 足フェチ! そして、謎の転校生……ここには青春の全てがあるッ!!
 奇才・白鳥士郎が送る農業学園ラブコメディー! 今、収穫の秋!!

「お湯のほうが汚れがよく落ちるからね。だ、だから下着を洗うときは、お風呂に入るついでに洗うんだよ。」
ゆ、ゆかたんの使用済みパンツと一緒にお風呂に入るなんて…………頭がフットーしそうだよぉっっ

 はい。これだけで主人公が変態だと言うことはお分かりになると思います。しかも、重要なのはこの台詞の場面は、主人公がヒロインに洗濯機での洗濯を教えている場面であるということです。洗濯を教えているだけなのにどうしてこうなった!しかもこの後、そのパンツを勝負の種にして、未使用パンツのワゴンの前で使用済みパンツがいかにして素晴らしいかを語り始めるんだぞ!いいぞもっとやれ!

 しかし、私はこれを電車で読んでいたのですが、何度も吹き出しそうになり、断念しました。だって、人のあだ名がおっぱいだったり、担任(ベッキー)の言動がおかしかったり、田んぼに苗を植えるだけなのに(薄々変態であると気づいていたけど)真面目なキャラだと思ってた奴がV字のビキニパンツ(扉絵参照)で「アドミナブル(腹筋)・アンド・サイ(脚)!」とか言い出すし、ブルマだし、旧スクだし、などなど。とりあえず不意打ちのギャグが多すぎるんだよ!!吹き出さざるを得ないだろ!!

 まぁ、そんなギャグに埋もれた中にも、「デビーク」のようなちゃんとした農業の知識や農場従事者特有の覚悟や諦め、苦悩が出てきたりして、そういうものは全然知らなかったのでとても興味深かったです。ただし、この作品の7割〜8割はネタで構成されているため、そういうものに耐えられない人は読むべきではないです。
 
 そして、エンドがヒロインの笑顔を取り戻すために主人公たちがあるものを見せて終わるのですが、それだけをとってみると何故だか「イイハナシダッタナー」になってしまうわけで……。もうなんというか読了感がイイハナシダッタナーになった時点で私の中の何かが壊れていたんだと思います。はい。もうどうにでもなーれ☆

 なんだかんだで全体的に笑いあり、農業についての要素あり、感動?ありでとても面白く読めました。